第63章 修復
翔の感触。匂い。
翔が腕の中に居るだけでこんなにもたまらない気持ちになる。
離したくない。
「翔…顔上げてよ」
翔は俯いたまま顔を横に振った。
「翔…愛してる」
そっと顔を包み、キスを落とした。
翔「潤…」
何度も、何度も唇を重ねる。
翔「ん…」
翔の甘い吐息。
少しずつ、深くしていく。
次第に翔の力も抜けていく。
そのまま俺はゆっくりと翔の身体をソファーに沈めた。
翔「じゅ、ん…」
そっと首筋にキスをしながら服に手を入れる。
「ま、待って!」
咄嗟にその手を掴まれる。
翔「………ごめん…出来ない…」
「………」
翔「ごめんなさい…まだ…無理…」
「そっか…ごめん」
そっと翔から離れ、腰掛けると翔も起き上がり隣に腰掛けた。
翔「潤…俺…」
「大丈夫。分かってるから。こうして3人でディズニーランド来れただけでありがたいと思ってる。焦りすぎた」
翔の手を握ると、翔もしっかりと握り返してくれた。
翔「もう少し…待ってて」
「いつまでも待つよ。でも今日は…」
翔「何?」
「一緒には寝ていい?」
翔「もちろんだよ」
ニッコリと翔が微笑んでくれた。
それだけでも俺は…満足だ。
「さて、じゃあ行きましょう」
翔「うわっ」
立ち上がり、翔を姫抱きすると慌ててしがみついてくる。
「明日は何に乗ろうか」
翔「そうだなぁ…」
さり気ない会話をしながら、俺達は太陽が眠る寝室へと向かった。
少しずつ、夫婦関係は修復に向かってる。
きっと大丈夫だ。
明日はもっと近付ける。
この時の俺達は…そう思っていた。