第61章 Confession
扉から離れた俺から逃げるように出て行こうとする翔の腕を掴んだ。
翔「離せよっ…!」
掴んでいたキャリーバッグを思いきり蹴り飛ばし、翔を抱き締めた。
翔「止めろ潤っっ…!」
「嫌だ…!」
翔「嫌だっ!離せよっ…!」
暴れる翔を肩に担ぎ上げ、ベッドまで歩く。
翔「嫌っっ…!」
そのまま翔をベッドに仰向けに突き飛ばした。
慌てて起き上がる翔を押さえ付け、馬乗りになる。
翔「潤止めろっっ…!そんなにセックスしたいなら彼女に電話しろ!変態!!」
「しない。それにもう番号も消したから分からない」
翔「嘘つけ…!」
「そう思うなら俺のスマホ隅から隅まで見てもらって構わないよ」
翔「………」
「翔が出て行かないって言うまで…離さない。お願いだから…ここに居てくれよ」
翔「………どれだけ自分勝手な事言ってんのか分かってんのかお前」
「分かってる。俺は自分勝手で最低なクソ野郎だ。自分の事許せない。それでも…翔と居たいんだ。翔が出て行くなんて…耐えられない」
翔「そんなの…知らない」
「お願いだから…出て行かないでくれ…翔…翔っっ…!」
翔「ずるい…潤…」
翔の手が伸び、俺の背中に抱き着く。
翔「お願いだから…止めてよ…こんな風にするの…」
「愛してる…愛してる…」
翔「嫌だ…聞きたくない…」
いつの間にか流れた涙が翔の頬に落ちていく。
翔「………卑怯者…」
「そう…俺は卑怯者だ。それでも…翔がここに居てくれるなら…何度でも言う。愛してる…愛してるよ」
翔「っっ…だったらどうして…どうしてっっ…」
俺の胸を何度も叩きながら涙を流す翔を俺は抱き締めるしか出来なかった。