第9章 結婚式
ー潤sideー
翔「うわー綺麗…」
ホテルの部屋に到着すると、飛び込んで来たのは窓から見える絶景の夜景。
小高い丘の上に建っているからか、最高のイルミネーションが広がっていた。
俺はにのから預かったビデオカメラを回しながら、目の前に居る綺麗な花嫁を撮していた。
(翔の方が何百倍も綺麗だよ)なんて古い臭い台詞を心の中で呟きながら。
翔「潤も見てよこれ。早く早く」
「はいはい」
俺はビデオカメラを回しながら翔の隣に立ち、夜景をバックに翔を撮った。
「綺麗だな…」
翔「………皆に感謝だね」
「うん」
俺はビデオカメラを下げて翔を見つめた。
翔「ん?」
「キスして良い?」
翔「………ビデオに撮るの?」
「キスだけだから。どうせ誰にも見せないし」
翔「………良いよ」
「じゃ…失礼します…」
翔を抱き寄せ、唇を重ねた。
翔「ん…」
ちゅっちゅっと角度を変えながら何度もキスをする。
翔「はぁ…」
唇を離すととろんとした目で翔が俺を見つめた。
「撮ってるから興奮した?」
翔「ち、違うよ馬鹿…」
顔を真っ赤にしながら首をブンブンと振る翔が可愛くて。
俺の行動がエスカレートしていった。
「………寝室行こう」
俺は翔の手を引き、寝室へと向かった。
翔「うわー…」
寝室の真ん中にはキングサイズのダブルベッドがその存在感を放ち、リビングより綺麗な夜景が広がっていた。
「翔。ベッドの寝心地は?」
すると翔がベッドに腰掛け、顔を輝かせる。
翔「わぁ!ふっかふか!」
満面の笑みで俺を見つめた。
豪華なスイートルームで綺麗なタキシード来たお腹の大きい俺の花嫁…。
これは…記録しないと損だよな。
どうせ誰も見ないんだし…。
「翔」
翔「ん?」
「………自分で服脱げる?」
翔「え?」
「………服…脱いで」
ビデオを翔に向けたまま、俺は翔にお願いした。
絶対怒られると思ったけど…。
翔「………」
ゆっくりとボタンに手を掛け、外していった。
でもその顔は耳まで林檎の様に真っ赤で…。
すげー可愛い…。
直ぐに押し倒したい衝動を抑えながら俺は翔をビデオに収め続けた。