第9章 結婚式
ー翔sideー
真冬なのに俺達を歓迎してくれてるようなポカポカ陽気。
到着して早々、潤とゆったりと散策をした。
でも…結構遠くまで来たな。
そろそろ戻ろうかと潤に言おうとした時。
潤「翔。ちょっとあそこに行かない?」
「え?」
潤の指差した方に目をやると、綺麗な外観の教会が目に入る。
潤「あそこで写真撮らない?」
「写真?」
潤「うん。行こう」
潤の足が早足になる。
俺の返事を聞かないまま、俺達は教会に辿り着いた。
「え、潤勝手に入るの?」
何の躊躇もなく扉を開ける潤に俺は驚いた。
するとそこには俺達を待っていたかの様に、髭を蓄えた渋い牧師さんが立っていた。
潤「どうも。松本です」
牧師「お待ちしてました。どうぞ」
「え?」
潤「翔。牧師さんに着いて行って?」
「え?何?」
潤「お願いします。じゃあ翔。後でね」
牧師さんに頭を下げると、潤は左奥の部屋へと入って行った。
「潤!」
牧師「大丈夫ですよ。奥様はこちらです」
「え…あの…」
牧師さんに連れられ、俺は右奥の部屋へと向かった。
どうなってるの…?潤…初めからここに来るつもりだったの?
俺はパニックになっていた。
「うわ…」
扉を開くとそこは控え室なのか。
テーブルとソファー。
そしてその横には…純白の白いタキシードが立て掛けられてあった。
「綺麗…」
マタニティ用だろうか。普通のタキシードより作りが少し違う。
こういうタキシードもあるんだ…。
牧師「今お友達が来られますから」
そう言うと牧師さんは出て行った。
「お友達…?」
すると入れ違いによく知った顔が中へと入って来る。
「にの…!」
和「翔さん着替えますよ」
「は?」
いきなり色んな情報が頭に入ってきて何が起きてるか分からない。
「何でにのが居るの?どういう事?」
和「とりあえず着替えましょう。話はそれから」
にのが俺の服を脱がし始める。
「ねぇにの…何で?」
和「何でって…智が翔さんの手伝いをするのは潤くんと私が許さないですし…相葉さんは変態ですから。私しか居ないでしょ?」
「いや、そうでなくて…」
混乱する俺を尻目ににのはテキパキと俺を着替えさせていった。