第55章 険しい道の始まり
翔に協力する。
そう誓ったはいいけど…ハワイから帰れば11月から始まるツアーの打ち合わせでスケジュールはぎっしりで。
事務所は事務所で相葉くんの入籍の時期を調整していて忙しく。
翔と丸一日休みを合わせる事なんて出来なかった。
今回から念願だったライトがようやく導入される事もあって…次第に俺の頭は構成で頭がいっぱいで。
翔も察してくれたのか、何も言わずに、日々は過ごしていった。
スタジオでの打ち合わせの合間、少し休憩しようとしたら隣のスタジオにりーだーが居ると聞いたから…少しだけ覗く事にした。
扉を開くと…爆音で音楽が掛かる中、汗びっしょりのりーだーがガシガシと踊っていた。
………いつもの大野智とは違う、『嵐のりーだー・大野智』の姿はいつ見ても…凄かった。
ぼんやりと見ていると、りーだーが俺の存在に気付く。
智「何だよ松潤…びっくりした」
「ああ…ごめん。隣で打ち合わせしてて…」
りーだーがタオルで汗を拭いながら近付いてくる。
「振り付けどう?」
智「『TRAP』やってたけど…なかなか…」
「そっか」
智「そっちは?」
「うん。ファンライトの色がまだなかなか決まんなくてさ…」
智「そっか」
「………」
智「何か飲むか?」
「うん…」
りーだーと並んで俺はスタジオを出た。