第54章 決意を胸に
「………え?」
翔の言葉に…俺は一瞬、耳を疑った。
「………不妊…治療…って…」
翔「ハワイで…一日だけだったけど…にのと智くんの子供達見てさ…思ったんだよね。やっぱり俺…どうしてももう1人子供が欲しい。太陽に弟か妹…作ってあげたい」
「………」
翔「潤…どう思う?」
「………うん…ちょっと今…驚いてて…」
翔「………だよね。ごめんいきなり」
「謝る事ない。でも…」
翔「………でも?」
「………不妊治療って…大変だろ。よく分かんないけどな…肉体的にも…精神的にも」
翔「そう…聞くね」
「辛い思いしても…そんなに高い可能性ではないって聞くし…俺は…翔が辛い思いするんならって…思う。俺達には…太陽が居るし…」
翔「その太陽が…あの日…皆と別れた後寂しそうだったでしょ?やっぱり兄弟欲しいんだって思う。それに…俺達が歳取って…いずれは居なくなった時…やっぱり兄弟の存在が大きいと思う。潤言ってたでしょ?めぐちゃんが居て良かったって」
「うん」
翔「俺も…舞と修が居てくれてよかったって思ってる。だから…やりたい。出来る事…やりたいんだ」
「翔…」
俺は…手を伸ばして翔の手を握った。