第8章 休業生活
ー翔sideー
本番前の最後のCM。
俺達出演者は席を移動して最後の立ちトークの準備に入る。
「ふぅ…」
CMが開け、村尾さんが話し出す。
俺は何時もの様に隣で話を聞いた。
村尾「………という事で、さぁ櫻井さん」
「はい」
村尾「今年最後、そして産休前最後のZEROですが…」
「はい。私事で来年は暫くお休みさせて頂きます。復帰させて頂いた後は今まで以上に精進したいと思いますので、その時は宜しくお願いいたします」
村尾「お待ちしていますよ。では最後にこの方達も駆け付けてくれました」
「え?」
出演者の拍手と共に、スタジオの奥から現れたのは…他のメンバー4人だった。
「え…え?」
雅紀「翔ちゃんお疲れ様ー」
和「お疲れ様です」
智「翔くんお疲れ様」
最後に潤が俺の前に立ち、花束を差し出した。
潤「お疲れ様」
「何で…」
潤「だってサプライズだし」
雅紀「翔ちゃんの仕事納め皆でお祝いしたくて」
するとエンドロールが流れ始める。
潤「暫くは櫻井さんお休みしますが、また戻って来ます!それまで俺達4人で頑張りますので応援宜しくお願いします!」
和「ほら翔さん一言!」
「は、はい…!それまで嵐を宜しくお願いします」
頭を下げ、涙目の俺のアップで生放送は幕を閉じた。
スタッフ「はい、オッケー!」
「もう、ビックリした…!何だよ皆揃って…」
雅紀「だからサプラーイズ!」
智「何か翔くん引退するみたいだったね」
「しないわ!!」
潤「ちょっと大袈裟だったけどね…」
「でも…嬉しい。ありがと皆。村尾さん…」
隣で微笑む村尾さんに頭を下げた。
「これからご迷惑かけます…」
村尾「………櫻井さん」
「はい」
村尾「私は月曜キャスターは櫻井翔しか居ないと思ってますよ。子供を持てば目線も変わります。親目線での貴方のキャスター非常に楽しみにしてますから。必ず戻って来て下さい」
「………はい!」
俺は村尾さんと強く握手を交わした。
村尾「では皆さん。もう少し櫻井さんお借りしますね。これから反省会です」
嵐「はい」
「じゃあ皆ありがとう。行ってくるね」
手を振るメンバーに手を振り返しながら俺は村尾さんとスタジオを後にした。