• テキストサイズ

君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第8章 休業生活


ー潤sideー


「翔。準備出来た?」


声を掛けながら俺は楽屋を覗いた。


翔「うん。後ネクタイだけ」


姿見の鏡の前で翔がネクタイを締める。


その後ろに立って翔を抱き締めた。


翔の身体が固い。緊張してるのが俺にも伝わって来る。


今日は今年最後の『NEWS ZERO』の放送であり、翔の今年の、そして産休前の仕事納めになる。


「精一杯やってきて。俺ここで見てるから。この子もね」


手を伸ばし、膨らみが目立ってきたお腹を撫でた。


翔「うん。行って来ます」


ガッツポーズをしながら翔は部屋を出て行った。


「よし、後はメンバーの準備か…」


携帯を取り出し、他のメンバーに連絡する。


産休前、最後の翔へのサプライズ。
また泣かれたらどうしようか。考えるとにやついてしまう。


しばらくすると、ノックと同時にマネージャーが楽屋へと入って来た。


翔マネ「お疲れ様です。花束持って来ました」


「ありがと」


翔マネが持って来た花束をテーブルへと並べる。


翔マネ「櫻井さんびっくりしますよ。最後にメンバー全員で登場なんて」


「だな」


この日まで、翔は今まで以上に真剣に仕事に取り組んでいた。一度も弱音を吐かずにこなしてきた。
またここに戻って来れる様に。
だから俺も守ろう。翔が戻って来るその日までこの場所を。


俺は立ち上がり、着替えを始めた。
/ 1278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp