第2章 何気ない日常の中で
「本当…?」
翔「俺だって…考えない訳ないだろ」
「すっげ嬉しい…」
プロポーズ受けてくれたのも同じだ。
俺は翔を引き寄せ抱き締めた。
翔「………俺もだよ。潤以外いない」
「うん…」
翔「でもさ…」
「でもは聞きたくない」
翔「聞いてよ」
「やだ…」
翔「潤」
翔が俺から離れ、軽く頭を小突かれる。
翔「ちゃんと考えよう。結婚する為に…。メンバーとの事も。事務所の事も。面倒だけど…順番があるだろ?」
「うん…」
言われると思った。
翔はそういうとこは人一倍真面目でお堅い。
俺以上に…考えてくれてるんだろう。
でも…もう5年だ。そろそろ動かないと。
「いっその事…既成事実作る?」
翔「既成事実って…」
「………子供…。出来ちゃえば事務所だって…」
翔「潤!」
翔の大きな声がリビングに響いた。
翔「そういう…筋通さないの嫌いなのお前が1番知ってるだろ!?冗談でも止めろ!」
「ご、ごめん…」
そうだった。
真面目一徹の翔が…そういう事大嫌いだって事。
翔「だからさ…ちゃんと話して許し貰おう。それから結婚しよう」
「ん…」
翔に諭され、俺は頷いて翔をまた抱き締めた。
翔「本当に見かけによらず子供っぽいとこは変わらないな」
「ごめん…」
翔「ま、そういうとこが好きなんだけど」
「………そんな事言われたらいつまでも大人になれない…」
翔「ならなくて良いよ。俺がいるんだから」
「もう…翔くん大好き」
俺を包んでくれる優しさ。懐の深さ。
そういうとこも俺のツボ。
「良い奥さん貰ったな…」
ポツリと呟きながら俺はいつまでもその柔らかい身体を抱き締めた。