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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第49章 15周年の始まり


ー和也sideー


布団に入るとさとしが後ろから抱き締めてくる。
そのさとしの腕を握って眠るのが俺の日課になっていた。


「あやちゃん…プロポーズされたら泣くだろうな」


智「あの時のかずみたいに?」


「もう…」


ふふっと笑い声が聞こえる。


智「グループも15年かぁ…かずとも15年」


「………正式になって何年ですかね?」


智「………11年…」


「よく覚えてるね」


智「お前の20歳の誕生日だろが。忘れるか」


「そっか…」


智「そっかって…まさか忘れてねぇよな?そういやおいらのあげたチョーカーは?着けたとこ見た事ねぇな」


慌ててさとしが身体を起こした。


「どこだっけ…」


智「は!?」


「もう…子供が起きる」


ぽんぽんと頬を撫でるとブツブツ言いながらさとしはまた俺の後ろに潜り込んだ。


………嘘。あの日の事は一生忘れる訳ない。
初めて「好きだ」って…「かず」って言ってくれたんだもん。
チョーカーも…勿体なくて大切にタンスの奥に隠してる。


簡単には教えないよ。
言ってくれるのに4年も掛かったし…その間にも遊んでた罰。


智「結婚式…挙げんのかな」


「どうだろね。あやちゃん次第でしょ?」


智「だよなぁ…」


「うん」


智「………そういやさ…おいら達…やってねぇな」


「そうだね」


智「何で?」


「………何でだろ。気にしてなかったからじゃない?俺もさとしも」


智「確かに…」


………そう。
気にしてなかった。
さとしと一緒になれる事が凄く嬉しかったから…。


智「………やる?」


「へ?」


後ろを振り返るとさとしが肘を着いて俺を見ていた。


智「結婚式」


「………は?」


ぽかんと口を開けたまま…俺はさとしを見つめていた。
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