第7章 想いの交差
ー翔sideー
ゆっくりと目を覚ますと、目の前には潤の寝顔。
俺を抱き締めて眠っている。
時計を見るともうすぐお昼。
隣に潤が居る。
最高に幸せな時間。
子供が産まれたら…あまりゆっくりは出来なくなるもんな。
朝早起きして…朝ご飯作って…潤起こして子供起こして。
食卓も賑やかだな。
一度は離れてしまったけれど…でもあれがあったから潤の大切さに気付いたんだ。
潤が居ないと生きていけないって…。
だから、悪者になってもいい、その覚悟で俺は彼女から潤を取り返した。
でも彼女は…静かに身を引いたんだ。
そんな優しい人だから…潤は彼女を一時でも好きになったんだ。
だから…幸せになろう。俺達。
俺は顔を近付け潤にキスした。
潤「ん…」
寝起き悪いな相変わらず。
「潤起きて?もう昼だよ?」
潤を揺さぶると余計に俺に抱き付いて来た。
「潤てば。ほら、起きようよ」
潤「んー…もう少し…」
「もう。じゃあ先に起きてるね」
潤の腕の中から離れ、俺はベッドから抜け出した。
お昼…どうしようかな。
激しいえっちした位だから潤の二日酔いは直ってるだろう。
何か作りたいんだけど…。
着替えながらそんな事を考えてた時、俺の携帯が音を立てた。
ヤバい潤が起きる。
俺は携帯を取って慌てて寝室を出た。
「もしもし?」
翔母『もしもし翔?母さんだけど。貴方と潤くん夜は空いてる?』
明るい声が電話口から聞こえてくる。
「夜?2人共空いてるけど…どうしたの」
翔母『うちに来ない?夕飯一緒に食べましょう。後渡したい物があるのよ』
「渡したいって…何?」
翔母『それは来てからのお楽しみ。じゃあ今夜ね。潤くんによろしく』
「ちょっ…」
返事してないのに…。
俺は溜め息を付きながらリビングのソファーに座った。
潤「おはよ翔」
「潤。起きたの?」
潤「うん」
欠伸をしながら潤は俺の隣に腰を下ろす。
「潤。母さんがさ夜一緒にご飯食べようって」
潤「え、本当に?行く行く」
嬉しそうに微笑みながら潤は俺に抱き付いて来た。
潤「何かお土産買って行こうか」
「うん。よかった喜んでくれて」
潤「嬉しいに決まってるじゃん」
優しい微笑みを浮かべながら潤は暫くの間俺を抱き締めていた。