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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第45章 心の傷


「智香。起きてたのか」


智香「うん…」


夕食を食べようと部屋に入ると智香は既に起きていて…机に座っていた。


「何してんだ?」


智香「学校の準備…」


「まだ学校には行かなくていいんだぞ。智香の気持ちが落ち着いてからでいいんだ」


智香「でも…ずっと休んでたから…」


「担任の先生には言ってあるから大丈夫だよ。智香は気にしなくていい」


それでも智香は…ずっとうつ向いてた。


「………どうした?」


智香「パパ…パパは明日…おしごと?」


「ん?うん…昼からお仕事だよ。どうして?」


智香「………が…るから…」


「ん?」


智香「………あのひとが…いるから…」


「………あの人?」


智香「パパの…おくさん…」


「………」


智香「だから…学校行く」


そして智香は引き出しから教科書を取り出した。


「智香。おいで」


おいらは智香を抱っこして立ち上がり、一緒にベッドに腰掛ける。


「智香は…かずの事嫌いか?」


智香「………」


智香は黙ってうつ向いてしまう。


その様子が…『YES』だというのを語っていた。


「智香。かずは…智香の事好きだよ」


智香「そんなことないもん…」


「パパ嘘付かないぞ?」


智香「………」


「かずは…智香ともっと仲良くしたいって思ってる。智香のお母さんになりたいって思ってる。だから…」


智香「ママじゃないもん!私のママはもういないもん!」


「智香…」


智香「ママ…ママぁっ…ママに会いたいよ…」


泣きじゃくる智香を抱き締める事しか今のおいらには出来なかった…。
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