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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第43章 divorce


ー和也sideー


医者「うん…順調ですね。元気ですよ」


エコーを見ながら先生が優しく微笑んだ。
俺とさとしは顔を見合わせて嬉しそうに微笑む。


5ヶ月目の定期検診。
お腹の中の赤ちゃんはすくすくと育っている。


智「先生」


医者「はい」


智「えっと…その…」


さとしが何か聞きたくてモゴモゴする。
直ぐに察してくれたのか、


医者「性別ですか?」


先生にそう聞き返された。


智「あ、ははっ…はい…」


医者「そうですね…間違いなければ…多分女の子ですね」


「………女の子…」


智「女かぁ…」


医者「きっと美人さんが産まれるでしょうね」


「そんな…ありがとうございます」


俺は先生に頭を下げた。










診察を終わると俺達はマネージャーの待つ駐車場に裏口から抜けようとしていた。
騒ぎにならない様に大きな総合病院の廊下を静かに歩く。


「あれ?どっちだっけ?」


智「右?」


大きな病院は要り組んでていつも迷ってしまう。
俺達は手を繋いで右に曲がった。


智「あ。ちげーな」


「もうさとし…」


目の前には全く別の病棟が広がっていた。


「戻ろ」


そう言ってUターンしようとした時だった。


智「………!!」


さとしの表情が強張り、病棟の奥を見据えたまま動かなくなってしまう。


「さとし?どうしたの?」


智「………」


「さとし」


智「………亜香里…」


「え?」


智「………亜香里…だよな。あれ…」


「………え?」


さとしの見つめる方向に目をやった俺は…さとしと同じ様に固まってしまった。


看護士「芹澤さん。歩けますか?大丈夫?」


亜香里「………大丈夫です。すみません」


看護士さんに支えられて病室に入る痩せ細ったその人は…間違いなく、芹澤亜香里さんの姿だった…。
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