第43章 divorce
和「………」
「………」
行為が終わった後もおいら達は裸のまま…ラグの上に転がっていた。
和「ねぇ…さとし…」
天井を見上げたままかずが呟く。
「ん…?」
和「今の…何…」
「………」
和「何なの…」
「分かんね…」
和「………別れのセックス?最後の一発?」
「違うよ。そんなんじゃない…」
和「だったら…」
「とりあえず服着よう。お腹冷やすとよくない…」
横に脱ぎ捨てられたかずの服を掴んで渡した。
かずはそれ以上何も言わずに…服を受け取り着替えた。
おいらも服を掴んで着替える。
和「じゃ…また…」
立ち上がるかずの腕を掴んでおいらはまたその身体を抱き締める。
和「さとし…」
「………愛してる…」
和「………」
「離婚届…出すのもう少し…待てないか…」
和「………」
「おいらは…いつでもやり直す気持ちでいるから」
和「………都合よすぎ…」
「分かってる…ごめん。でも…おいらにはお前しかいないから…」
黙ったままのかずがゆっくりとおいらから離れる。
和「………じゃあまた仕事でね。送らなくていい。ここに居て」
顔を見ずに告げられた後、かずはリビングを出て行った。
遠くで響く玄関の扉の音が…佇むおいらにBGMの様に聞こえていた。