第43章 divorce
亜香里「………痛い…」
和「………当たり前だよ。殴ったんだから」
亜香里「………」
和「何なんだよ。『今日からでも見て下さって構いません』?ペットか何かと勘違いしてんな!!あんたの娘だろ!!」
かずの怒号に…遊んでいた智香と智也が驚いて固まってしまう。
和「あんた最低!!親にとって子供がどんな存在か…1番分かってる筈だろ!!そんな事子供の前で言うなんて…あんたに親の資格なんてない!!最低!!」
「かず…」
亜香里「………貴方に俺の気持ちは分からないでしょ。愛する男に愛されてる貴方には」
和「………」
亜香里「………愛して愛して…いつか振り向いて貰えるって…ずっと待って尽くした挙げ句に捨てられて!その上妊娠して途方にくれた俺の気持ちなんてあんたには分からないでしょうよ!!」
和「………」
亜香里「………幸せだったでしょ?この人に愛されて…大事にされて…。プロポーズされて…結婚して…子供も産まれて。俺の…俺の望んだ物…全部貴方は手に入れた。いいじゃないですか。俺だって幸せになっても」
智「………亜香里…」
亜香里「智香の事愛してない訳じゃない。でもこうする方が幸せなんです。だからお願いします。責任取って…」
和「………勝手だよ…そんなの…」
亜香里「どう思われても構いません」
そして亜香里は立ち上がり、智也と遊んでいた智香ちゃんの腕を引いた。
亜香里「1週間後、連れて来ますのでお願いします。お邪魔しました」
頭を下げて亜香里さんはリビングを出て行った。
智「亜香里!」
慌てたさとしがその後を追い掛ける。
「っっ…!」
溢れ出る涙を拭いながら…俺はそのままテーブルに突っ伏した。