第36章 翔の家出
ー和也sideー
「ん…ふふっ…やださとし…」
智「やだって言ってるのにここはどうした?」
「やん…」
智「ほら…」
「あぁん…ともが起きちゃう…」
さとしの手が俺の身体をまさぐる。
痺れる快感に俺は布団の中で声を上げていた。
智「かず可愛い…」
「来て…さとし…」
さとしが俺に馬乗りになった時、マンションのエントランスのインターホンが鳴り響いた。
「え…?」
智「何だよ夜中に…」
「………さとし。もしかして翔さんか潤くんじゃない?こんな時間に来るなんて…」
智「マジか…」
頭を掻きながらさとしがベッドを降りて部屋を出る。
ずり下げられた下着とパジャマのズボンを履きながら俺もさとしの後を追った。
智「分かった。開けるよ」
俺が隣に立った時、さとしがエントランスのボタンを押していた。
智「かずが正解。松潤だったよ」
「やっぱり」
智「何か泣いてた」
「え?」
慌てて玄関に行く。
玄関のインターホンが鳴ると同時に扉を開けた。
「潤く…うわっ!」
いきなり潤くんが俺に抱き着いて来る。
潤「ぐすっ…にの…にのぉ…」
智「松潤かずから離れろよ」
さとしは潤くんの様子より潤くんが俺に抱き着いている事の方が問題みたいだった。
「もう…今はいいから!」
さとしを手で払いながら潤くんを支える。
「潤くん大丈夫?翔さんと何かあった?」
潤「ぐすっ…。翔が…まだ帰りたくないって…嫌だって…!ひっく…俺どうしたらいいんだよぉ…」
「分かった分かった…とりあえず入ろう?ね?」
潤「ふぇっ…ぐすっ…」
子供の様に泣きじゃくる潤くんを支えながら俺達は彼を家に招き入れたのだった。