第7章 想いの交差
斗真とは事務所の入所時期が数ヶ月しか違わないいわゆる同期。
俺達は会った時から気が合い、嵐のメンバー以外では1番気が合い、腹を割って話せる間、いわゆる親友だ。
Jr.時代を毎日の様に過ごし、1番喧嘩もした。そして…同じ人に恋をした。
斗真「俺も翔くんが好きなんだ」
俺達は…翔の知らない所で翔を競い合った。
その結果…翔は俺を選んだ。
俺達に気を使って…斗真は翔に気持ちを伝える事は無く、翔への想いを封印した。
翔は…未だに斗真の気持ちを知らない。
翔と付き合う事になった時、斗真に誓った。
「翔くんを幸せにする」
結婚の報告をした時も、笑顔で祝福してくれた。
斗真は…もう翔の事は想い出になったと思っていたのに…。どういう事だろう。
斗真「………」
「どうしたんだよマジで」
斗真「想い出にしたと思ってたけど…でも…駄目だ。最後に想いを伝えたい。ちゃんとフラれて…前を向きたいって思ったんだ」
「………」
俺は深呼吸をした後、ゆっくりと口を開いた。
「………分かった」
斗真「………本当に?」
「お前の事は信頼してる。度が過ぎる事はしないって分かってる。それに…もし翔が選んだのがお前だったら…同じ事頼むかもしれないから」
「潤…ありがとう…」
「俺の居ない所でやれよ」
斗真「………分かった。ハグは…良い?」
「………一瞬だけなら…」
斗真「………ちゅーは?」
「馬鹿。絶対駄目!」
斗真「冗談」
俺は笑いながら斗真の肩を小突いた。
斗真以外だったら我慢出来なかったかもしれない。
でも…斗真だから。
こいつがどんな想いで翔くんから身を引き、諦めようとしたか、俺は隣で見ていた。
それでも俺にも翔にも変わらずに接してくれた斗真に俺は感謝してる。
だから…いつか後悔する日が来るかもしれないけど、俺は受け入れよう。
そう心に決めた。