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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第35章 Big Fight part2


ー翔sideー


「うわ…雪だ…」


洗濯物を畳ながら俺は窓の外に目をやった。
今日の関東地方の天気は雪。
予報の通り、昼過ぎから雪がシンシンと降りだした。


2011年2月。
年明け早々、潤は夏から始まるドームツアーの打ち合わせに加えて10月からの公演が控える舞台の打ち合わせと…多忙になっていた。
俺の誕生日も…ゆっくりとは過ごせなかった。
俺は秋から夏辺りから公開予定の映画の宣伝活動、秋からドラマの撮影が予定してる分…今は比較的ゆっくりと出来た。
それでも春から太陽の入園する保育園の準備で何かとバタついてる。


今日も制服の採寸に行って来たばかり。
帰って直ぐに片付けと夕飯の仕度。


最初は慣れずにパンクしてしまった子育てと家事も…今はこなれてきてるな…そう思っていた。


「太陽ー夕飯何にしようか」


太陽「んー…」


「何でもいい?野菜沢山残ってるからシチューにしようか?寒いしね」


太陽「ん…ママ…」


「何?ちょっと待っててね。今忙しいからアンパンマン観てて」


太陽「ママ…」


目をやらずに太陽に声を掛けて俺は寝室に洗濯物を片付けに行った。


虎鉄「にゃー」


「ん?」


虎鉄が鳴きながら寝室に入って来る。


「虎鉄どうしたの。太陽と一緒に居て?」


虎鉄「にゃーにゃー」


しきりに鳴いて俺を見上げる。


「何?」


虎鉄「にゃー!」


ズボンの裾を掴んでくいくい引っ張られる。


「ちょっ、虎鉄…?」


すると虎鉄は俺に目配せしながら寝室を出て行った。


「何だよ…そんなにお腹空いたの?」


仕方ないな、と俺は急いで洗濯物をしまい、リビングへと戻った。


「虎鉄ちょっと待っ…た、太陽!!」


リビングへ戻ると…太陽が仰向けに床に横になり、虎鉄がしきりに太陽に擦り寄っていた。


「太陽?どうしたの?」


太陽「………」


駆け寄ると太陽はぐったりとしていて…意識はなかった。


「太陽!!太陽!!」


さっき俺を呼んでたのは…助けを求めてたから!?


虎鉄「にゃー!」


「虎鉄ごめん!ありがとう!!」


俺は太陽を抱えて額に触れる。


「熱い…酷い熱…!!」


俺は急いで携帯を取り出し、119に繋いだ。


「ごめん太陽…ごめんね…」


何度も呟きながら俺は太陽を抱き締めた。
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