第34章 魅惑の薬
ー翔sideー
「うう~ん…」
ズキズキと痛む頭を抑えながらおいら目を開けた。
隣には俺にしがみついて眠る太陽と俺達を包み込む様に抱き締めて眠る潤の姿。
既に起きていた虎鉄が鳴きながら俺に擦り寄って来た。
「虎鉄おはよ…」
ワイン飲み過ぎた…。
ワイン…あ…
「尻尾…!」
慌てて頭を撫でると数時間前まであった筈の猫耳は消えていた。
お尻に手をやると…猫尻尾も勿論無い。
「良かったぁ…消えた…」
ほっと胸を撫で下ろしながら潤の寝顔を見つめる。
何回シたっけ…覚えてないや…。
それ位…俺達は散々交わり合った。
にのと智くんのシてるとこも見たし…本当、酔っぱらってなきゃ出来ないよなあんな事…。
時計を見ると8時を過ぎてる。
運動したし…皆お腹空くよな。
俺はベッドから降りようと身体を動かした。
「いたたたたたたた!!」
下半身に鈍痛が走り、思わず声を上げてしまう。
潤「んー…?」
その声に反応して潤が目を覚ました。
潤「どうした…翔…」
「腰痛い…動けない…」
潤「え?」
寝起きの悪い潤が俺のその言葉で覚醒してガバッと起き上がった。
潤「大丈夫?」
「じゃない…重い…」
潤「マジか…。湿布取って来るよ。待ってて」
潤が起き上がり、寝室を出た。
虎鉄「にゃー」
虎鉄が俺をジッと見つめてる。
どことなく心配そうな表情に俺は映った。
「大丈夫だよ。腰痛いだけ」
虎鉄「にゃん…」
すると虎鉄が顔を近付けぺろっと鼻を舐めてくる。
「ふふっ。ありがと…」
潤「翔お待たせ」
湿布を数枚持った潤が寝室に戻って来た。