第34章 魅惑の薬
ー潤sideー
雅紀「ただいまぁ~♪」
「おーお帰り相葉くん」
智「お帰りぃ」
こんがりと日焼けした相葉くんがキラキラ笑顔で楽屋に入って来る。
年が開けて正月気分もとっくに収まった3月。
ドラマの撮影が終わり、まとまった休みを貰った相葉くんは早速綾香ちゃんと海外旅行に出掛けた。
綾香ちゃんの希望でタイに行ったらしい。
「焼けたね~」
雅紀「めっちゃ天気良くてさ~…」
ガサガサ鞄を漁りながら袋を出していく。
今日はテレビ雑誌の撮影。
3人での撮影だから翔とにのは休みだった。
多分…うちで一緒に過ごしてるだろう。
休みが合えば必ず一緒に居るからな…。
雅紀「これお土産!翔ちゃんとにのの分もあるからね♪」
智「お~♪」
「サンキュ♪」
するとお土産とは別に、相葉くんが小さな小瓶をテーブルの上に置いた。
智「ん?」
「何これ」
雅紀「これ…何だと思う?」
小瓶を手に取り、りーだーと一緒に見る。
コルクで蓋が閉じられたその瓶の中には…うっすらとピンク色のトロッとした液体が入っていた。
ラベルが貼られ…英語で何か書かれてるが読めない。
翔だったら読めるんだろうけど…。
智「分かんねぇ」
雅紀「んっふっふ♪これねぇ~媚薬だって!」
智「媚薬?」
「本当に?」
雅紀「そう。何かね…ちょっと路地裏みたいなとこ歩いてたら変なおっさんに買わないかって声掛けられてさぁ。断ってたけどあんまりしつこいから買ったんだぁ」
「媚薬ねぇ…」
媚薬なんて…聞いた事はあるけど…実際見た事なんてない。
実際にあるかどうかさえも分からなかった。
東南アジアの路地裏で買ったって…怪しすぎるだろ。
「まぁ、とりあえず貰うよ。ありがとう」
雅紀「使ったらどうだったか教えてね♪」
智「本当に効くのかぁ?」
半信半疑でそれを俺達はポケットに入れた。
この薬が…あんな淫らな夜を過ごす事になろうとは全く思わなかった。