第33章 太陽の兄弟
ー翔sideー
和「わぁー…可愛いな」
虎鉄「ニャン♪」
和「おいで」
虎鉄「ニャァ♪」
にのが手を差し伸べると虎鉄はすりすりとすり寄って行く。
そのままにのの腕の中に大人しく収まった。
和「猫ってこんなに人懐こかったっけ?」
「どうだろ…。生き物飼うのなんて初めてだからな…」
和「翔さん苦手でしたもんね」
「そうなんだよ。何でだろう…虎鉄は放っておけなかったんだよな…よし。ミルク終わり~♪」
腕の中のとも君がミルクを飲み終えたから縦抱っこして背中をトントンと叩く。
智也「けぽっ…」
「お。ゲップ早いな」
和「やっぱり手際良いですね翔さん」
「そう?」
和「この間なかなか出なくて困りましたもん」
「まぁ、そういう時もあるよ。ね、とも君」
タオルでとも君の口元を拭きながら話し掛けるとジッと見つめられる。
「可愛いなぁ赤ちゃん…。太陽が産まれた時の事思い出すよ」
和「ふふっ」
「にの…大丈夫?パンクしてない?」
和「何とかやってます。さとしもよく見てくれるし…。この間…父さんがうちに来て…」
「え。にののお父さんが?」
和「はい。俺が撮影行ってる間…面倒見てくれました」
にのが照れ臭そうに微笑んだ。
「そっか。少しずつ…歩み寄ってるんだね。良かった」
和「でもまだ…ぎこちなくて…」
「そりゃそうだよ。ずっと会ってなかったんだから。少しずつ距離縮めればいいよ」
和「ありがとう翔さん」
「うん」
にのにあんな事があって…本当に心配したけど…元気にしてて良かった。
あの脚本家が辞めてから…現場の空気もよくなったみたいだし。
視聴率もよくて…またにのの役者としての評価も上がってる。
グループの一員として誇らしい。
もうすぐ年も明けて新たな1年が始まる。
嵐にとっても…我が家にとっても…また素敵な1年である事を願いたい。
ふと、心の中でそう思った。