第27章 Tears
ー和也sideー
「本当だよ?昨日なんて4回戦までいこうとしたからさすがに蹴り飛ばしたよ」
雅紀「ひゃっひゃっ!凄いなりーだー」
綾香「意外に大野くんも絶倫なのね」
「入れ替わった事件以来かなぁ。こんなにしてるの。翔さんがよく潤くんの事『絶倫過ぎて身が持たない』って言ってるでしょ?ただのノロケだと思ってたけど…今なら翔さんの気持ちよく分かります。本当…腰痛い。そのくせ『腰悪いんだから無理すんな』って…悪化させてるのは誰だよって」
雅紀「ひゃっひゃっ!」
リビングで相葉さんと綾香ちゃんの3人で談笑していた。
他の3人は仕事。
これを機に俺は最近のさとしの有り余る性欲の愚痴を2人に聞いてもらっていた。
「綾香ちゃんは大丈夫?このあいばかさんに無茶されてない?」
雅紀「あいばか言うなよ」
綾香「大丈夫。意外と体力無いのよこの人。1回するとへばるから」
雅紀「あやちゃん!」
綾香「ふふっ」
「さとしの足して2で割れば丁度良いかなぁ。あいつのせいで最近疲れ取れないし…。ずっと身体ダルいんだよね。食欲も無いし」
雅紀「そんなに?」
「うん。昨日も夜気分悪くて…早目に寝たんだよね。ちょっと戻しちゃって。でも食欲はあるんですよ?夜の運動してますから…ははっ」
雅紀「あははっ。大丈夫ならいいけど」
綾香「………和くん。あのね…」
「何?………ぅっ…ごめん…」
綾香ちゃんが何か言いかけた時、昨日襲われた吐き気にまた襲われる。
俺は慌てて流しへと走った。
雅紀「にの…!」
綾香「和くん!」
慌てて綾香ちゃんが後を追って来て背中を擦ってくれた。
「げほげほっ…ごめん…」
綾香「気にしないで。多分…悪い事じゃないから」
何故か綾香ちゃんは俺を見て優しく微笑んでいた。
「え…?」
雅紀「にのぉー大丈夫?」
心配そうな相葉さんがタオルを差し出してくる。
「綾香ちゃん…どういう意味…?」
綾香「和くん…。もしかしてだけど…赤ちゃん。出来たんじゃない?」
「………!!」
雅紀「………うそぉ!!」
赤ちゃん…?
俺と…さとしの…赤ちゃん…?
「っっ…うぇっ…!ひぐっ!」
綾香「和くん…」
ぼろぼろと泣き始める俺を綾香ちゃんは優しく抱き締めてくれた。