第22章 friendship
太陽「きゃっきゃっ♪」
「んー…やっぱり子供の匂いって何とも言えないなぁ…」
太陽を抱っこしながら顔を埋めると…優しい香りが脳を癒した。
太陽くんはくすぐったそうに笑ってる。
「太陽くん、俺は誰?話せるかな?」
太陽「あー」
「かずくんだよ?かずママでもいいかな?言える?かーずーまーま」
太陽「かじゅ…」
翔「あ、凄い」
「かーずーまーまーだよ」
太陽「かじゅまんま…」
「わぁー言えた!」
翔「凄いね太陽」
太陽「かじゅまんま!」
「そうだよーかずママだよー」
リビングに流れる優しい空気。
隣に居る翔さんの本物の笑顔。
やっと…やっと俺達は心から笑えるんだと…そう思った。
翔さんの心を解かし始めた太陽くんと潤くん。
でもまだ解け始めたばかりで…。
もっと温かくしないといけないな…。
翔「子供の力って…本当に凄い。亡くなった子の事思い出したくなくて向き合うの怖かったのに…こうして側に居たら…ちゃんと向き合える様になれるなんて」
「………久しぶりです。翔さんのその可愛い笑顔」
翔「そう?」
「ええ。食べちゃいたい位可愛い」
翔「いいよ食べて」
笑いながら顔を近付ける翔さんに俺も顔を近付け…ちゅっとキスする。
久し振りの翔さんの感触。
「………翔さん」
翔「ん?」
「もっかい」
翔「くすっ、いいよ?」
「んー…」
翔「んー」
もう一度ちゅっとキスする。
その様子を不思議そうに太陽くんは見ていた。
「太陽くん、これは浮気じゃないからね?」
翔「そうだよ。挨拶だからね?」
「翔さん大好き…」
翔「大好きだよにの」
俺達はそのまま太陽くんを真ん中にずっと抱き締め合った。