第21章 wound
潤「翔もういいよ」
「うん」
寝室に入ると潤が先に布団に潜り込んでくれた。
この間の事…心配してくれて『先に俺が居た方が良いね』って…言ってくれて。
そのお陰で…この間みたいな発作は起きなくて、俺は潤の腕の中に収まる事が出来た。
潤の胸に顔を埋め、深呼吸をする。
「………やっと安心出来る。潤の匂い…」
あの男の匂いが…頭の中で少しずつ掻き消されていく。
優しく…潤に抱き締められる。
「あのね…この間にのに会ったんだ」
潤「にのに?」
「会いに行ったんだ。潤とどうしたらいいか分からなくて…にのしか…相談出来なくて。ごめんね黙ってて」
潤「謝らなくていいよ。大丈夫」
「背中押してくれたんだ。だから…こうしていられるの…にののお陰でもあるんだ」
潤「そっか…。そういう意味では…翔とにのは…特別だよな」
「うん…そうだね…。感謝してる」
潤「でも…少しずつでいいよ。無理する事無いんだ。仕事だって…落ち着くまで休んでいいんだから」
「でも…今年10周年で…俺…去年のツアーも出られなかったのに…」
潤「翔。今は翔の身体が大事なんだよ」
「………潤…」
潤「今は何も考えずに…ゆっくり休んでくれ」
潤の手が…俺の背中を撫でる。
「………うん…」
今は…潤の言う事を聞こう。
いつかまた元の生活に戻れる様に…。
潤に守られる様に抱かれながら…俺は静かに眠りについた。