第17章 忍び寄る影
ー翔sideー
監督「はい、カット。オッケー!」
スタジオに監督の声が響く。
今日最後のカットが終わり、VTRのチェックに入る。
監督「………はい、オッケー。お疲れ様!」
「お疲れ様です」
横山「お疲れ様です」
すると1人のスタッフがスタジオの真ん中に立つ。
スタッフ「えーそれでは!日付変わりまして今日5月9日は横山裕さんの誕生日でーす!」
横山「え?」
「おめでとーう!!」
驚き顔のヨコを尻目にスタッフがケーキを運んでくる。
横山「マジ…?」
「ヨコ」
用意していたプレゼントを持ってヨコの前に立った。
「28歳おめでとう。はい」
ヨコ「え…これ」
「つまらない物だけど…」
横山「………」
「………ヨコ?」
横山「あ、ありがとう…めっちゃ嬉しい…」
「後1ヶ月半頑張ろうね」
横山「うん」
嬉しそうにヨコは俺からのプレゼントを抱えた。
その日は皆でヨコの誕生日を祝い、いつもより遅く帰宅した。
この時俺は…自分のやっている行動がヨコの気持ちに拍車を掛けている事に…全く気付く事が出来なかった。