第17章 忍び寄る影
ー潤sideー
「ただいまー…」
深夜2時。
撮影を終え帰宅した俺は静かにマンションの扉を開いた。
「あれ?」
中に入るとリビングの明かりがついていた。
静かにそこに歩みを進めると…翔が台本を持ったままソファーに座ったままうたた寝をしていた。
「翔…?」
軽く肩を揺するとゆっくりと目が開き、俺を捕らえた。
翔「………潤…?お帰り…」
「ただいま。台本読んでたの?」
翔「うん…セリフが不安だったから…」
「そっか。でももう2時過ぎだよ。寝よう?」
翔「ん…」
少しまだぽやんとした翔を支えながら俺は翔を支え寝室に向かった。
翔「潤…お風呂は?」
「向こうで入ってきた」
翔「そ、か…」
手早くスエットに着替え、翔の隣に潜り込む。
翔「順調?撮影」
「何とかね。翔は?」
翔「俺も何とか…。でもヨコが居るから凄く助かってる。人見知りなのに現場の空気盛り上げようって一生懸命やってくれてるんだよ。本当…助かってる。俺いつもセリフでいっぱいいっぱいで…」
「そっか」
翔「うん」
「頑張ろうな。来月は…太陽の誕生日も待ってるし」
翔「そうだね。楽しみ」
「うん。じゃあおやすみ」
翔「おやすみ」
そのまま俺達は目を閉じて意識を手放した。