第14章 生涯一度の恋
ー翔sideー
智「ぐぅ…ぐぅ…」
雅紀「ぐおー…」
和「だから飲み過ぎだって言ったのに…全く」
ソファーで爆睡した2人ににのはブツブツ言いながらにのは後片付けを手伝ってくれた。
潤「にの悪いな。2人のお祝いなのに手伝ってくれて」
和「いいえ。ご馳走になった上に泊まらせて頂けるんだからこれ位やらないと」
「でも助かった。ありがとう」
2人の様子を見ながら俺は太陽にミルクをあげていた。
「でも太陽が泣いて早くから起こしちゃったらごめんね」
和「いえ。むしろ翔さんの子育てぶり見れるのは楽しみですよ」
潤「にのありがと。もういいよ。お茶いれようか」
和「ありがとうございます」
片付けが終わり、にのが隣に座り太陽くんを見つめる。
和「大きくなりましたねー。というかますます潤くんに似てきましたね。もう瓜二つ」
潤「そう?」
「お義母さんも言ってたもんね。『潤の小さい頃そっくり』って」
コーヒーを入れながら潤が嬉しそうに微笑む。
太陽「おぎゃあ…」
「あれ?太陽足りなかった?」
空になった哺乳瓶を口から外すと太陽はぐずり始める。
「えーどうしよ。おっぱい出るかな…」
和「翔さん最近出が悪いんですか?」
「元々女性より男性の方がおっぱい出ないんだって。胸もほぼ膨らまないから。でも…まだ出ると思うんだよな」
俺はシャツを捲って胸を出した。
潤「え?翔ここでやるの?」
「ここでって…家だからいいでしょ」
和「わ。翔さんの授乳始めて見るかも。勉強しよ。将来の為に」
「ガン見されると照れるよ」
太陽を近付けると胸に吸い付き勢いよく飲み始めた。
「いててて!吸い過ぎ!噛むなよ」
和「おー。めっちゃ吸ってる」
にのが肘を付きながらその様子をマジマジと見つめていた。
和「やっぱり妊娠してからおっぱい張るんですか?」
「産んだ時は張ったなぁ。それにもっと出たから太陽もよく飲んでたよ」
和「へぇ…ははっ、可愛い~一生懸命吸ってる」
俺の胸に吸い付く太陽の姿を俺とにのは微笑ましく見つめていた。
潤「………」
けれど…潤から怒りのオーラが出ていた事にはこの時俺は全く気付かなかった。