第14章 生涯一度の恋
「翔ちゃーん、後何だっけ?」
翔「後は…あ、太陽のオムツとウェットティッシュ」
「オッケー」
翔「相葉くん手伝ってくれて助かった。ありがとね」
「いいえー。でも松潤怖かったなぁ。『翔に手出したら許さない』って…出す訳無いっての。まだ死にたくないもんね」
翔「ははっ。ごめんね」
今日はりーだーとにのの婚約パーティー。
翔ちゃんと松潤の家で俺達5人でやろうという事になり、松潤が食事担当、翔ちゃんと俺が買い出し担当になった。
翔ちゃんの抱えた抱っこ紐の中で太陽くんは静かに眠っていた。
周りの人達は…気付いててもあえて気にしていない振りをしてる人達ばかりで…以外と堂々としてればいいんだなとか思ったり。
買い出しついでにベビー用品売り場にやって来ると、その種類の多さに驚いた。
「はぁー色々あるんだねぇ…」
翔「びっくりした?」
「うん…。えーこれ本当にベビーフード?普通に食べれそう」
翔「ふふっ、でも味殆どないよ」
「もう太陽くんって離乳してるの?」
翔「最近始めたんだ。買ったりもしてるけど潤が作ってくれたりしてる。上手だよ潤」
「へぇー…」
翔「これと…後は…あ、相葉くん、そこのオムツ取ってくれる?」
「ほーい」
手を伸ばしてオムツを取ろうとすると、横から伸びて来た細い手をつかんでしまった。
「あ、ご、ごめんなさい!」
女性「あ、いえ…こちらこそ…」
俺は手を引きながらその人に頭を下げた。
………この声…
懐かしい聞き覚えのある声に…俺は顔を上げた。
「………」
女性「………マーくん…」
「………あや、ちゃん…」
翔「………え…?」
そこに立っていたのは…紛れもなく、俺の愛した女性。
俺の心を掴んだまま離さないその人が…赤ん坊を抱き抱えて佇んでいる姿だった。