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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第14章 生涯一度の恋


ー雅紀sideー


10代の頃から4人を見てきた。


特に松潤とにのは同期でJr.時代から同じ仕事を沢山して…気心の知れる親友で。


りーだーは…昔から割と無口でいつもボーッとしてる先輩っぽくない先輩で。
でも…初めてその歌とダンスの実力を見せつけられた時…圧倒された。
素人だった俺が見ても…引き込まれる程の実力を兼ね備えていてJr.の中では憧れの先輩だった。


それと真逆な性格だった翔ちゃん。
その可愛らしい見た目とは真逆で…『3秒でキレる男』として有名な位、短気で…他のJr.の子達を叱ってる所を何度も見ていた。
でもそれは…ダラダラとレッスンしたり、やる気の無い後輩達への物で…根は凄く真面目で融通が聞かない位全てにおいて真剣な人だった。
そんな風に俺達をまとめて引っ張ってくれるのは彼位で…怖いけど信頼の厚い先輩で。


そんな4人と突然グループを組む事になり、翔ちゃんやりーだーとは殆ど話した事ないからどうしようかと思ったけど…。
一度も大きな喧嘩をする事も無く…9年が経っていた。
今では家族と変わらない位大切な仲間になれた。


そんな4人が…いつの間にか恋に落ち…結婚する事になった。
それは自分の事の様に嬉しくて…俺も幸せな気持ちになった。


でもそれと同時に…込み上げて来たある人への想い。
メンバーにも話した事の無い…俺の…人生でたった一度の…本気の恋。


忘れようと言い聞かせる度に…強くなる彼女への想い。
もう…どれ位逢ってないだろう。5年?6年?


でも今でも鮮明に覚えてる。


彼女の笑顔、声、仕草…。


他の子じゃ駄目だった。


俺の心は…あの子に鷲掴みにされたまま。


いつか…忘れられる日が来るのだろうか。
別の女性を…愛せる日が…。


「あやちゃん…」


ポツリと…愛しい人の名前を呼んだ。
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