第74章 Renewerd
「ふふっ、かーわいい…」
綾「あー」
翔「天使…」
綾「あーあー」
翔「あれ、りんちゃんもう喋るのかな?」
綾香「ふふっ、もう喋ってくれるとママびっくりだなぁ」
「でもりんちゃん香也と仲良くしたいみたい」
お互い引っ越しの片付けもほとんど終わったある日。
綾香ちゃんがりんちゃんを連れてうちに遊びにやって来た。
翔「でも本当に大人しいね香也ちゃん」
「そうなの。ソファーに寝かせてるとたまにそこに居るの忘れちゃう位よく寝てる」
翔「ははっ!マジで智くんじゃん!」
綾香「でも羨ましい〜!りんよく泣くから大変だもん」
奥さん3人の話に華を咲かせる。
ふと気付くと、愛おしそうに香也を抱っこする翔さん。
翔「………可愛い…女の子ってさ…」
「ん?」
翔「男の子にはない柔らかさっていうか…儚さっていうか…あるよね…」
「………そうだね。智也の時はさ…力強く育って欲しいって感じだったけど…和香産まれたらさ…本当に…大切に大切に育てよって気持ちがさ…智也も勿論あるけど…女の子はそれが強いっていうか…」
翔「うん…そうだね…」
綾香「翔くん」
翔「あ、ごめん…何?」
綾香「ううん…大丈夫?」
翔「大丈夫だよ。赤ちゃんの事は…もう前向きになってる。でもこうしてるとやっぱり欲しいって思っちゃうよね」
微笑む翔さんを見て俺も綾ちゃんも黙って翔さんを見つめ返した。