第3章 新しい命
翔が妊娠した。
いつか…翔と結婚したら…いつかは欲しいと思ってた。
でもまさか…こんなに早くそんな日が来るとは思わなかった。
妊娠検査薬と翔を交互に見つめる。
翔「ぐすっ…」
鼻をすすりながら涙を拭う翔。
確かに…ショックだし戸惑うよな。
俺達…付き合いだしてからそういう事には人一倍気を付けてた筈だった。
避妊も一度だって欠かした事なんてない。
でも俺は…正直嬉しい。
だって俺達が愛し合った結果なのだから。
「翔…あのさ…」
翔「子供なんて考えた事無かったのに…どうしよう潤…俺凄く嬉しい…」
「え…?」
じゃあ泣いてたのは…
翔「子供授かるって…こんなに嬉しい事だなんて…。駄目だ…俺芸能人失格だ…」
「翔」
ぐずぐずと泣きながら翔が俺を見上げた。
「俺も嬉しいよ…。多分これから考えなきゃいけない事沢山あると思う…簡単には許してくれないかもしれない…でも…俺守るから。翔とお腹の子供…絶対守るから。だから…産んで欲しい。育てよう2人で」
翔「………良いの?産んでも…」
「当たり前だよ」
するとやっと翔が笑ってくれた。涙はまだ止まらないけど。
翔「ありがとう潤…!」
俺は翔の手を取り、真っ直ぐに見つめた。
「その前に…ちゃんとプロポーズさせて?」
翔「うん…」
深く頷くと、翔も真っ直ぐに俺を見つめ返した。
「櫻井…翔さん。俺と…結婚して下さい」
翔「はい…!俺を…貰って下さい」
「っっ、やったぁ!!」
俺はそのまま翔を引き寄せ抱き締めた。
考えなきゃいけない事山積みだけど…今日だけは喜びを噛み締めていたい。
俺幸せだ。
俺達結婚します。
松本潤24歳、櫻井翔25歳の秋の出来事だった。