第3章 新しい命
ー潤sideー
翔のマネージャーから翔が体調が悪いという知らせを受け、仕事が終わった後俺は慌てて翔の家へとマネージャーに送ってもらった。
「ありがとう」
潤のマネージャー(以下、潤マネ)「いえ、お大事に伝えて下さい」
「うん」
途中で買い込んだ荷物を抱えて俺はエントランスからエレベーターに乗り込んだ。
翔に何があったんだろう。
昨日までは元気だったのに。
普段はやらないおかわりをしていた程体調良かったのに。
明日病院に行くって翔マネが行ってたから着いて行こうかな。
色々考えてたらエレベーターの扉が開いた。
俺は飛び出して部屋まで走った。
合鍵で部屋に入り、足音を立てない様に入った。
静まり返った部屋。
多分寝てるんだろう。
とりあえず荷物を片付けようと俺はキッチンに入った。
「わ、わぁっ!びっくりしたぁ!!」
翔「………お帰り」
翔は着替えないまま、電気の消えたリビングのソファーでぼんやりとしていた。
「翔具合悪いんだろ?寝てなきゃ駄目だよ」
翔「………話があってさ」
「話?」
俺は荷物をカウンターに置いて翔の元へ近付いた。
「翔…どうした?」
暗くて分からなかったが翔を見ると、頬に涙の伝った痕。
翔「これ…」
虚ろな目でテーブルを指差す。
「………これ…」
テーブルに視線を移すと…そこに置かれていたのは妊娠検査薬。
手に取るとそこには…丸い窪みに赤い縦のラインが浮き上がっていた。
翔「………妊娠した…みたい…」
「………」
翔が妊娠した…。