第11章 復帰
和「泣かないで下さいよ翔さん」
「ごめ…何か…ホッとしちゃって…」
和「ほら、よしよし」
にのに抱き締められ、背中をトントンされる。
和「初めての子育てなのにそんな全て完璧にこなそうとする方が間違いですよ。子供と一緒にママも成長するんですから」
「………ありがと…にの…先輩ママ友みたい」
和「ははっ」
笑いながら離れ、俺の涙を拭ってくれた。
和「もっと頼りましょう。翔さんの家族も潤くんの家族も…もっと頼って欲しいと思ってますよ。勿論私達メンバーもね。あ、さとしはあまりあてにしない方が良いですけど」
「ふふっ」
思わず笑みがこぼれる。
和「やっと可愛い翔さんの笑顔が見れましたね」
にのの顔が近付き、ちゅっとキスされる。
「ふえぇっっ!?」
慌てて口を押さえ、一歩後ずさる。
和「どうしました?」
「だ、だって今…キス…」
和「まぁまぁ。これはキスじゃないですよ。ちゅーです。挨拶ですよ」
「い、一緒じゃん…」
和「顔真っ赤!一緒じゃないですよ。ちゅーは挨拶ですよ。海外じゃ当たり前じゃないですか」
「いや、ここ日本だし…」
和「駄目ですか?」
眉を下げ、ジッと俺を見つめるにの。
………子犬みたい。
「駄目じゃないよ…」
和「んふふ♪よし、じゃあ翔さん寝てていいですよ」
「え…」
和「あまり寝てないでしょ?私ご飯作っておきますから」
「でも…」
和「翔さん。大丈夫ですから」
「………じゃあ…お願いします」
和「はいはい」
にのに促され、俺は寝室に入った。
にの…本当にありがとう。
俺は布団に潜り込み、目を閉じた。
にのの優しさに安心した俺は、疲れがピークに達していた事もあってすぐにトロトロと眠りに落ちた。