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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第69章 Essential


2017年10月19日。


10年前と同じ日。
同じ場所へ。


同じ3人で立っていた。


潤「よし…行こうか」


「うん」


太陽を真ん中にして俺達は中へと入る。


太陽「すみません!お願いします!」


太陽が思ったより大きな声を出すもんだから俺も潤も焦ってしまう。
案の定、朝一番のお陰で少なかったせいか、その場に居た職員全員がこちらを振り返った。


翔「た、太陽…静かにね」


翔が慌てて太陽を後ろから抱き寄せると太陽は舌を出しながら笑った。


それを見て窓口の人がクスクス笑いながら婚姻届を受け取る。


窓口「はい…はい。大丈夫です。おめでとうございます」


「ありがとうございます」


頭を下げて3人で役場を後にした。


翔「ふぅ。焦った」


「ふふっ、でもこれで…」


そっと翔の手を取り、薬指にキスを落とす。


「翔覚えてる?10年前…ここで」


翔「………結婚指輪?」


「うん。翔が…泣いて喜んでくれた」


翔「忘れないよ。幸せだった。俺達の思い出」


「じゃあ…もう一度付けてくれる?」


翔「………あ…」


俺がポケットから取り出したのは…10年前のあの日翔に渡した指輪。
翔が出て行った時に置いていった指輪。


「ここからもう一度始めよう。今度こそ永遠に…俺の側に居て」


翔「………はい…!」


涙を流しながら俺にしがみつく翔。
ギュッと抱き締めると目の前に居た太陽が笑いながら俺に向かって親指を立てた。
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