第66章 恋の行方 PART 1
潤「何で黙ってんだよ。斗真と何かあったのか」
「………」
潤に詰め寄られ、嘘は付けないと思った。
こんなに早くさっきの事言わないといけなくなるとは思わなかったけど。
潤「翔」
「………今日斗真に会った」
潤「いつ」
「夕方。楽屋まで来て…それで…」
潤「何話したの」
「………『傍に居て欲しい』って…」
潤「………それで?」
「………キス…された…」
潤「………」
立っていた潤がもう一度座り直す。
「ごめんなさい…」
潤「謝る必要ないだろ。法的にはもう夫婦じゃないんだから。何したって俺が文句言う筋合いはないんだ。だからキスしたんだろ」
「ち、違うよ!そんなんじゃない!」
潤「じゃあ何でキスしたんだよ!!」
「っっ…!!」
潤が怒鳴りながら俺の両肩を掴んだ。
潤「何でキスした!!何でだよ!!何で………何であいつと寝たんだよ…!!」
「潤…」
思えばあの時。
俺達の事を知った潤は何も言わなかった。
殴る事はおろか…怒鳴る事さえもせずに潤はその場を離れた。
分かってたけど。
俺が傷つけられたのと同じ位…潤を深く傷付けてしまったんだ。
裏切り行為がどれだけ心を抉るのか分かってたのに…。
「ごめんなさい…潤。ごめんなさい…」
俺は潤に謝る事しか出来なかった。