第65章 答え
何をどうしていいか分からなくて…楽屋にはただ、ゲームの音だけが響いてる。
「あの…にの…」
和「はい」
ゲームをしながらの無機質な返事。
「話…出来ないかな」
立ち上がり、にのの隣に座り直す。
和「翔さんが話したいならお好きにどうぞ。でも俺は話す事何もありませんから」
「にの…」
和「だって俺には翔さんの気持ち分かんないですから。誰か翔さんの気持ち分かる人に話したらいいんじゃないですか?」
「っっ…」
和「ごめんなさいね。翔さんの気持ち分からなくて。これからは何も聞かない様にしますから」
「………ごめ…ごめんなさ…」
にののハッキリとした拒絶の言葉に…涙が溢れた。
俺が悪いんだから仕方ない。
でも…。
和「ちょ、翔さん…!」
「ぅっっ…ごめんにの…お願いだから謝らせて…」
和「あーもう。分かったよ!もう泣かないでってば!」
にのが漸くゲーム機を放り投げ、俺を抱き締めてくれた。
「うぇぇん…ごめんなさい…ごめん…」
和「もう本当に…泣くの卑怯。暫く怒ってようと思ったのに…」
「ごめん…」
和「俺もごめん。酷い事言って。だってショックだったんだもん。あんな事言われて」
「ごめんなさい…ぐすっ…」
和「本心じゃないって分かってたよ。うるさくした俺も悪かった。だから…仲直り。ね?」
「ん…ありがと…」
和「いいの。ほら…泣かないの」
にのが微笑みながら俺の涙を拭ってくれる。
いつものにのの笑顔。
「にの…ちゅーしよ…」
和「はいはい。翔さん大好きだよ」
ほっぺと唇に落ちる優しいキス。
にのの華奢な身体を俺はしっかり抱き締めた。