第12章 ♣あの娘が・・・
翔side
「いいトコ連れてってやるから、付き合え」
って、突然の長瀬くんからのメール。
先輩からの誘いを断るのもなんだから、一応“はい”と返事を返したはいいが…
まさかのまさかで…
ホントにまさか(くどい?)こんなトコに連れて来られるなんて思わず…
俺は呆然と立ち尽くし、ド派手な店の看板を見上げてた。
そしたら、
「イクゾッ!」
って、長瀬くんに腕を引っ張られ、引き摺られるよう店内に入った。
入り口で受け付けを済ませ、細い急階段を昇り詰めると、派手な看板とは到底不釣り合いのピンクの襖があった。
靴を脱ぎ、“下足箱”と書かれた棚にしまうと、長瀬くんがピンクの襖を開けた。