第2章 ♠鍋が…
潤side
珍しくかかってきた翔さんからの電話。
何事かと思ったら、部屋の片付けを手伝えって…?
フッ…やってやろうじゃないのぉ~
俺はクローゼットから大きめのボストンバッグを取り出すと、必要な道具をその中に詰め込んだ。
お気に入りのコートを羽織り、姿見でチェック。
何か物足りなさを感じて、アクセサリーボックスに手を伸ばすけど…
いやいや、お片付けに行くんだから、チャラチャラ飾る必要はないか…
ハットを被り、真っ黒な大きめのサングラス。
準備完了!
ボストンバッグを肩に肩にかけ、リビングを出ようとした時、ある物を忘れていることに気付いた。
おっといけねぇ。
キッチンに入ると、それを棚から取り出し、ボストンバッグに詰め込んだ。
ボストンバッグは今にもはち切れそうにパンパンになった。