第11章 ♣️雨が…
和也side
Jの部屋のインターホンを押す。
いつもなら合鍵もあることだし、勝手に上がり込んだりもするんだけど、今日はなんか違うんだよね…
ロックを外す音がすると、ゆっくりドアが開いて、隙間からJが顔を覗かせる。
「ただいま、潤」
「おかえり、和」
これなんだよ…
たまにこうゆうのって、新鮮なんだよね。
‘’ただいま‘’‘って言ったら‘’おかえり‘’って帰ってくる。
普段独り暮らしだから、たったこれだけのことが、すごく幸せに感じる。
玄関に入ると、靴を脱ぐ間も惜しくて、いそいそとスリッパを用意するJを抱き締めた。
「もう和ってば…。ほら、早く入って?」
背中に回した腕をゆっくり解くと、俺はJに手を引かれてリビングに入った。
ん…?
通いなれた筈の部屋なのに、何故だか違和感…
「あ、こたつ…」
前に来た時は確か無かった。
‘’寒くなってきたから‘’なんて言いながらJはキッチンに向かう。
確かにそうだけどさ…
これはまたJらしいと言うか…
深い紫にゴールドで柄が入っていて…
全体的にギラギラしてて…
こんなのもあんのね…