第4章 ♣️願いが…
智side
その後、延々ババ抜きをした結果、俺は負けに負けてシャツ一枚残ってるだけ。
翔くんなんて、セーターと靴下脱いだだけなのに…
はぁ~、どうしてこうも負けるかなぁ…
「もうやめようか? ババ抜き」
うん、って思わず頷いちゃった。
「翔くん…、寒いよぉ」
訴える俺に、翔くんが手で『おいで』ってしてくれる。
だけど俺こたつから出られないの…
だって、下はパンツ一枚も履いてないんだもん(>_<)
こたつの中でモジモジしてる俺に気づいたのか、翔くんが立ち上がって、俺を背中から抱き締めてくれた。
「まだ寒い?」
聞かれて、俺は翔くんに凭れたまま首を振る。
翔くんの体温と鼓動が背中から伝わる。
「智」
いきなりの呼び捨てに驚いて、顔を上げた拍子に翔くんの唇が俺の唇に触れた。
「もっと暖めてあげよっか?」
そんなこと、耳元で囁かれたら断れないじゃ~ん!
「翔くん、好きだよ。 ずっと一緒にいよ?」
「俺も好きだよ? ずっと一緒にいるよ」
「一緒にいよう…この先もずっと」
二人の、こっそり交わした誓いの言葉。
おしまい