第21章 ♦約束が・・・
潤side
部屋を整理をしていたら、懐かしい物を見つけた。
『じゅん と かず の こうかんにっき』
如何にも年期の入った色の表紙には、多分覚えたてだろう、拙い平仮名でそう記されている。
どんなこと書いてたんだろう…
表紙を開きかけたけど、止めた。
これは和と一緒に見るべきだと思ったから。
俺と和は幼稚園からの幼馴染みだ。
とは言っても、学年は和の方が一学年上。
家も近所で、お互いの親同士も友達同士ってこともあって、幼稚園の頃はいつも一緒に遊んでた。
でも、それも和が小学校に上がるまでのことで、小学生になった和は、幼稚園児の俺からしたらとても遠い存在になった。
小学校入学と同時に、和は習い事や学習塾へ通い始め、当然だけど遊ぶ時間なんて、全くといっていい程なかった。
そんな状況の中で思いついたのが交換日記だった、って訳だ。
和が塾へ向かう途中に届けてくれる日記が、俺はとても楽しみだった。