第15章 ♠しあわせが・・・
智side
格子窓から見えるのは白銀の世界。
その向こうに広がる、青い空の下キラキラ光る青い海。
障子一枚挟んだ向こう側、二ノ相手に将棋をさす相葉ちゃんの姿。
あぁ、あの顔は相当悪戦苦闘してるな…
一方、二ノの顔ときたら、余裕綽々ってとこだな。
俺と翔くんはそんな光景を、コタツに潜って眺めている。
「翔さん、リーダー、お茶どうぞ」
松潤が熱いお茶とお煎餅を運んできた。
「ん、ありがとう」
俺達はお煎餅を手に取り、口に運んだ。
ボリボリと音を立て頬張ると、今度は熱くて渋いお茶をズズッと啜った。
「和も雅紀も、ちょっと休憩してお茶でもどう?」
松潤が障子を少しだけ開けて、向こう側の二人にも声をかける。
『お、いいね〜』
二人は手を止め、コタツに潜ると、お煎餅片手に熱いお茶を啜った。
五人でコタツに潜り、外の雪景色を眺めた。
とても穏やかな時間。
でも何だろう…?
さっきから感じるこの違和感は…
4人の顔を見渡してみる。
ちょっとだけ広くなった額。
白くなった髪。
顔に刻まれた深い皺。
背中だって心なしかみんな丸くなってる。
あぁ、そっか…
俺達は歳をとったのか…
同じ時代を生き、5人でおじいちゃんになった。