第13章 ♠迷子が・・・
車の揺れが気持ちよくて、睡魔が襲ってくる。
こんなこともあろうかと持ってきたお気に入りのブランケット。
コレ、ホントは俺のじゃない。
翔くんのブランケットなんだ。
でも俺が使っても翔くん何も言わないから、今じゃ俺のお気に入りで、どこに行くにも大抵持ち歩いてるんだ。
モコモコに包まってると、ほんのり翔くんの匂いがする。
まるで翔くんに抱かれてるみたいに…
バンッて音がしたかと思ったら、身体を揺さぶられて、「智、起きて」って声が聞こえた。
母ちゃん?
「…う〜、母ちゃんあとちょっとだけ…」
「誰が母ちゃんやねん!」
って頭をバシッと叩かれた。
ビックリ飛び起きて、キョロキョロするけど、母ちゃんがいる訳もなく、
「あ、翔くん…。…アハ…ハ…」
笑って誤魔化した。