第3章 〜一味との時間〜
エ「あ、えっと…」
ゾ「こんなところで何してんだ?風邪引くぞ」
エ「あ、ご心配ありがとうございます。実は今日何処で寝ようか考えていまして…」
ゾ「女部屋じゃダメなのか?」
エ「ナミさんとロビンさんに申し訳ないですし、泊めてもらう身で部屋を使わせてもらうのも図々しいですし…」
ゾ「じゃあルフィに聞いてみたらどうだ?ここの船長はアイツだ。それにアイツが世話になって連れて来たんだ、どうにかするだろ」
エ「わかりました!ありがとうございます!!」
立ち上がってペコリとお辞儀をする。
ゾ「別に気にするこたぁねぇよ」
それだけ言うとゾロはドアを開けて中に入っていった。
ルフィを探して船内を歩き回っていると船首の上に人影があることがわかった。
近づいてみると案の定ルフィだった。
エ「あっ…」
気配に気づいたのか、こちらを振り向いたルフィと目が合った。
ル「よぉ、エミリか!どーした?」
エ「あ!えっと、今夜私は何処で寝たらいいか聞こうと思って探してたんです」
ル「んー、ナミ達の部屋じゃダメなのか?」
エ「ナミさんやロビンさんのお邪魔でしょうし、実は私、年上の方が少し苦手で…」
何せ今まで人と話す機会すらろくになかった為、やはり大人の女性二人と同室は今のエミリには少しハードルが高かった。
ル「んー、じゃあ俺の部屋使うか?」
エ「えっ!?」
ル「俺なら年も近いし問題ねぇだろ?」
いやそんなことより違うところで問題がある気がするのだが…。
ル「俺お前に聞きたいこといっぱいあんだよ!な、いーだろ!!」
にししっ!と屈託のない笑顔で言われると断りにくくなる。
それに加え船長室を見ることができ、尚且つルフィと一晩同じ部屋で語ることができるまたとないチャンスなのである。
ルフィの長年のファンとしては聞き過ごすことができない誘いである。