第13章 Childhood's end
二宮side
しばらくして智さんが
躊躇いがちに口をひらく。
O:「あのさ…昨日のこと、
みんなに聞かれたら…どうする?」
「普通に話しますよ。
あったことをあったまま…」
驚いたような顔の智さん。
「嘘ついても仕方ないし、
それに貴方が言ったじゃないですか?
『和は悪くない』って、
『胸を張っていいんだ』って、
『イジメられたことを恥じる必要は
どこにもない』って。
だから…。
すぐには全てを、
本当に全てのことを終わらせることは
出来ないかもしれないけど
少しでも前に進むために…隠しませんよ。
それに、助けてくれるんでしょ?
俺のこと」
O:「うん、助けるよ、何度でも。
和が決めたなら…
和の思うように進みなよ。
おいら、ちゃんとフォローするから」
「ありがとうございます。
信じてますから、貴方のこと。
いままでも…これからも…」
言いながらなんか照れ臭くなって…
誤魔化すように智さんの頬に
キスして立ち上がる。
「俺、一旦マンション戻って
車、取ってくるから、
智さん、支度しといて。
迎えに来ますから」
O:「え?和?」
戸惑う智さんを後目に部屋を出た。
昨日の曇り空から一転、朝陽が眩しい。
ひとつ、伸びをして通りに向かい
タクシーを拾った。