第44章 ドラセナ
Jun side
智「…松潤」
ニノと入れ替わりに
ソファに座る俺の前に来た大野さんから声がかけられる
怠いのと
自分にイライラするのと
喧嘩の内容を知られて恥ずかしいのと…
全部混ざって返事ができなくて
視線だけを大野さんにうつすと
智「そんな睨まないでよ」
そう言って苦笑された
智「風邪は?大丈夫なの?」
翔くんの前で
風邪ひきました
なんて認められなくて…
潤「ひいてないつってんだろ…」
視線を逸らそうとすると
智「松潤」
強い声でそれを阻止された
智「素直になりなよ」
その大野さんの声と同時に
ノックの音が響いて
「嵐さんお願いしまーす」
スタッフが入ってきた
雅「はーい」
相葉さんの明るい声が続いて響く
潤「…ごめんなさい」
みんなが立ち上がる中
大野さんの視線から逃れられなくて
小さく謝ると
ポンッと背中を叩かれた
スタジオに入ると
「まず松本さんと櫻井さんお願いします」
…まさかの翔くんとのツーショット
苦笑する声が3つ背中に聞こえた
「松本さんもう少し櫻井さんに近づいてー…」
潤「…はい」
不自然に開いてしまっていた距離を
半歩近づくと
朝からまともに会話もしなかったから
ずっと気づかなかったけど…
潤「…翔くん…風邪?」
なんとなく翔くんの雰囲気が気怠い感じがした
思わず小さな声で聞くと
翔「風邪ひいてんのは潤だろ?」
カメラにスマイルを向けながら
服から少し出ている手首に触れられて…
潤「俺は元気だって言ってんじゃん」
また…素直になれず
その手を振り払ってしまった