第44章 ドラセナ
Sho side
翔「はぁ…」
思わず大きなため息が出る
「どうしました?体調悪いですか…?」
マネージャーがバックミラー越しに声をかけてくる
そういえば…ちょっと怠い…
翔「いや…大丈夫…」
でもそんなこと言えないから
眠いふりをしてシートに躰を沈めた
朝…全く顔を合わせようとしなかった潤の顔は…少し頬が赤くて…
出て行った後のキッチンのごみ箱には薬の空き袋が捨ててあった
「先に行く」と言った声はかすれてたし…
…絶対風邪ひいてるよな…あれは…
風邪ひかないようにって思ったから
喧嘩になったはずなのに
…それが原因で風邪ひかせて
どうすんだよ…
当たり所のないイライラが募って
なんだか落ち着かなかった
今日は雑誌のグラビア撮影で
お正月特集以来の5人での撮影
楽屋にはまだ誰も来ていなくて
いつものように定位置に座って
新聞を広げた
しばらくして軽いノックの後に
ドアが開く
潤「おは……」
入ってきたのは潤だった
俺だと気づいて無言になって
荷物を置いて楽屋を出ていこうとした
その顔はやっぱり少し赤い
翔「潤…体調悪いの?」
扉に手をかけて止まった
潤「…別に悪くない…」
…あぁ…また…意地張ってる…
翔「無理しないでソファで…」
潤「悪くないってばっ」
俺が言いかけた言葉をさえぎって
勢いよくドアを開けた
智「うわっ…」
開けたら目の前に
智くんとニノが居た
和「おはよーございます」
二人の挨拶も無視して
潤はそのまま楽屋を出て行った
智「何?どうかしたの?」
二人は荷物を置いて俺を見る
でも…言えねーよなぁ…
こんなこと…
黙ってるとニノが「トイレ」と言って出て行った
たぶん潤のこと見に行ってくれたかな…
智くんは何も言わずに
ジッと俺を見ていた