第4章 アゲラタム
Sho side
海では色々反省点も多かったけど
夕食に選んだレストランは
予想以上に良い雰囲気の場所で
潤がすごく喜んでくれたから
それだけで俺まで幸せな気分になった
帰り道,潤はずっと黙ったまま
車窓を眺めているから
時折チラッと目線を送っても
うっすら窓に映る顔しか見えなくて
なんだか寂しかった
翔「…疲れた?」
こっちを向いてほしくて声をかけるけど
少し俯き加減で前を向く程度で
潤「うんん,大丈夫」
と小さく答えるだけだった
このまま帰るのも物足りなくなって
途中,港町が一望できる公園に
車を止めた
翔「少しだけ…歩ける?」
助手席のドアを開けて聞くと
嬉しそうに頷いた
ずっと表情がわからなかったけど
笑ってくれてて良かった…
その公園は夜景を見るための公園だから
街灯がほとんどなく
隣にいる潤の顔もほとんど見えない
でも…その方が俺達には好都合
人気のない場所までくると
潤の手をとって歩いた
翔「またどっか行こうな」
俺の言葉に潤の手がギュッと握り返してきて「うん」と答えた
潤のすべてが愛おしい
これからはこうやって
ずっと一緒に歩いて行ける
なんだかんだ楽しくて
幸せだった今日は
その始まりの一歩
俺達のOne step…
……この道はどこまでも繋がっていく…
* To be continued ...