第1章 ベコニア
Jun side
撮影はニノとのショットが多くて
緊張する必要もなくて順調に進んだ
潤「俺コレやだってー」
和「潤くんは何でも似合うよ♪」
小道具を取り合ったり
変なメガネをニノにかけさせられたり
すごく楽しくて
そんな時視界の端に
しかめっ面して不機嫌そうな翔くんが
スタジオを出ていくのが見えた
さっき手を振り払ってしまった時の
翔くんの顔が脳裏に蘇る
びっくりしたように目を見開いて
その後一瞬見せた傷ついたような瞳
びっくりしたのは,わかる
咄嗟に謝ると
翔くんもいつも通り笑ってくれたけど
…どうしてあんな瞳したんだろ
俺が振り払ったから?
この気持ちは表に出しちゃいけない,と思ってるのに
そんな風にされたら期待しちゃうよ…
そんなコトを考えていたら
スタジオの出入口をずっと見つめていたみたいで
和「潤くん?どうかした?」
ニノの声で我に返った
潤「あ…ごめん,なんでもない」
どこ行ったのかな,とか
気になるコトはいっぱいあるけど
今は仕事中
俺はプロ
潤「コレ,ニノに似合うよ!」
小道具の中から1つニノに渡して
カメラに向かってアイドルスマイルを作った