第36章 サボテン
Jun side
翔くんのせいじゃない…
それだけはどうしても伝えたくて
それなのに泣きながら翔くんも謝る…
もっと早く相談してたらよかった…?
いろんなことがぐちゃぐちゃになって
涙が止まらないまま
ベッドの上で身に何も纏わないで
ふわっと…でもしっかり抱き締められた
でも…それだけなのに一瞬身を引いてしまう…
潤「っ…あ…ごめ,なさ…」
翔くんなのに…
躰と頭が別々みたい…
謝る俺を無理矢理抱き締めることはしないけど
でも離すこともしないでいてくれる…
翔「無理しなくていいから…」
そのまま柔らかく抱き締めたまま
ふわふわと髪の毛を撫でてくれて…
それに安心して少しずつ躰の力が抜ける
翔くんの温もりを求めて
身を委ねるように躰を凭れさせて
背中に腕を回すと
翔くんの腕もさっきよりしっかりと
躰を包んでくれる
翔「…潤…ごめん…」
耳元で苦しげに謝る声が聞こえる
潤「違うっ…」
それを遮って否定して…
潤「翔くんは…守ってくれたよ…あの時翔くんがメールくれなかったら,俺っ…っ…」
ちゃんと伝えたいのに
言葉にすると頭の中で蘇ってきて
また翔くんの肩が涙で濡れる
震える背中を翔くんが優しく摩ってくれた